マンションでの生活は、価値観や年齢もことなる大勢の共同生活の場ですので、どんなに厳しいルール(規約)を定めても、居住者間のトラブルを完全に防ぐことはできません。特に夜間の生活騒音や、ペット飼育のルールが守られないといった居住者のマナーに関することから大きなトラブルに発展しがちです。とくに、音を不快に感じる程度やペットの好き嫌いなど、受けとめ方に個人差があることは簡単には解決できないことが多いです。こうした居住者間のトラブルは原則として当事者同士が解決すべき問題ですが、いざトラブルが起こると管理会社に解決を求める傾向があります。しかし、実際には管理会社の業務の中には、一般的に居住者間のトラブルの対応については含まれていませんので、こじれてしまった問題の解決を管理会社にぜんぶお任せとはいかないでしょう。こうした場合に頼りになる存在がマンション管理士です。マンション管理士は、管理組合のよろず相談役としての役割も担います。理事会や管理会社では対応しきれないトラブルや問題などが生じた場合にはマンション管理士等の第三者的立場であるコンサルタントに支援を求めるのもトラブル解決のための方法のひとつです。

トラブルの発生状況(項目)

平成25年度マンション総合調査によると、分譲マンションでおきた過去1年間のトラブルの発生状況の割合は「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が『55.9%』と最も多く、つぎに「建物の不具合に係るもの」が『31.0%』、「費用負担に係るもの」が『28.0%』となっています。「特にトラブルは発生していない」が『26.9%』です。分譲マンションの半分以上で、居住者間の行為やマナー等などによりトラブルが発生しています。マンションでは、一戸建てにはない、共同生活をするマンション特有の難しさを抱えています。マンションには多くの居住者が暮らしますので、建物や設備などのハード面の他、居住者間のマナーなどのソフト面など、いろいろなトラブルがおこります。

トラブルの発生状況(内訳)

過去1年間に発生したトラブルの具体的内容についてみると「居住者間の行為、マナー」では、「生活音」が『34.3%』と最も多く、つぎに、「違法駐車」が『24.7%』、「ペット飼育」が『22.7%』となっています。居住者間のトラブルで一番多い生活音については、音を不快に感じる程度には個人差があり、また当事者にとってはきわめて深刻な対立に発展するケースも多く、簡単には解決できない問題ではありますが、最低限、管理規約等に床材の騒音基準を定めたり、掲示等でマナーの遵守を啓蒙するなどの対策は必要でしょう。

居住者間のトラブルは原則として当事者同士が解決すべき問題ですので、いざトラブルが紛争にまで発展したときに、どこまで理事会が介入するかは慎重に判断をせざるを得ません。また、管理会社の業務の中には、原則として、居住者間のトラブルの対応については、含まれていません。

「建物の不具合」では、「水漏れ」が『18.8%』と最も多く、つぎに「雨漏り」が『12.2%』となっています。「費用負担」では、「管理費等の滞納」が『27.2%』となっています。管理費等の滞納については、滞納額が大きくならないうちに対応することが肝心です。毎月、理事会を実施して、管理会社の担当者(フロント)から管理費等の滞納状況については、報告を受けるようにしましょう。

管理組合運営における将来への不安

管理組合を運営していく上での将来の不安な点についてみると「区分所有者の高齢化」が『57.0%』と最も多く、つぎに「管理組合活動に無関心な区分所有者の増加」が『34.8%』、「理事の選任が困難」が『31.8%』、「修籍積立金の不足」が『28.6%』となっています。

居住者の高齢化や理事のなり手不足に関しては避けては通れない全国のマンション管理組合が抱えている問題です。改正された標準管理規約の中では、外部の専門家が管理組合の理事や監事(理事長を含む)に就任できるようにした条項が追加されました。区分所有者の高齢化などによって役員のなり手が不足といった問題に対応するため、マンション管理士等が理事長に就任することが想定されています。

マンション管理業協会に寄せられた相談内容

平成27年度苦情相談受付状況 (平成27年4月~平成28年3月)
マンション管理業協会ホームページより

 相談項目  相談件数
管理規約・使用細則等に関する事項 2,320
総会・理事会に関する事項 1,020
管理組合の財務・会計に関する事項 421
管理費等の滞納に関する事項 120
義務違反者の対応に関する事項 151
事件・事故対応に関する事項 76
駐車場・駐輪場・バイク置場に関する事項 67
維持管理・大規模修繕に関する事項 300
管理組合関係その他 491
管理委託契約の内容に関する事項 577
管理会社の変更に関する事項 48
管理会社関係その他 111
マンション適正化法に関する事項 1,283
区分所有法に関する事項 162
建替円滑化法に関する事項 4
個人情報保護法に関する事項 47
その他の法令に関する事項 146
保証機構関係 63
資格試験・研修・説明会等に関する事項 1
その他 602
管理会社の不法行為・脱法行為 18
管理会社への不信感 342
契約上の苦情一般 65
消費税に関する事項 4
協会への意見・苦情 55
合計 8,494

まとめ

マンションは、住人皆さんが助けあいながら生活する場所です。しかし価値観の違う方が長期間暮らしている内に、時にはトラブルが起こりますし将来への不安が増していきます。しかしほとんどの理事は、マンション運営についての専門知識を持っていません。そこで標準管理規約では「管理組合の運営や管理全般について、専門家に相談したり、助言、指導、援助を求めたりすることができる」と定めています。分譲マンションで必要とされる専門家には、マンション管理士、弁護士、司法書士、建築士、税理士等がいます。専門家を上手に活用することが将来への不安を解決への近道になるでしょう。

八重洲マンション管理士事務所マンション管理士が、管理組合のトラブルや将来への不安を解消します

実績豊富なマンション管理士事務所
マンション管理をめぐるトラブルや将来への不安の多くは、建物や設備等に起因する他、分譲マンションの区分所有という居住形態による利害関係の複雑さがその背景にあります。八重洲マンション管理士事務所では、こうしたトラブルや将来への不安を解消するために、管理組合との顧問契約の他、管理規約の作成、管理委託契約書の見直しや管理会社の変更まで、マンション管理組合の抱える問題に幅広く対応いたします。マンション管理士は、管理組合の立場にたち、管理組合や理事会の運営をサポートいたします。今では、安全、安心して住み続けるためには、プロフェッショナルによるコンサルティングが必要な時代になっています。ぜひ、マンション管理のプロフェッショナルであるマンション管理士をご活用ください。