分譲マンションの総会は、管理組合の収支予算や事業計画をはじめとする管理組合の基本方針や重要事項を決する最高意思決定機関です。平成25年度マンション総合調査結果によると、総会を年1回開催しているマンションが「80.8%」、年2回以上開催しているが「12.4%」で、計「93.2%」の分譲マンションが毎年総会を開催しています。最低でも年1回の総会開催は、法律上も義務づけられているにも関わらず、一部のマンションでは、総会を開催していないケースもあるようです。こうした場合には至急総会を開催する必要がありますのでマンション管理士などの専門家に支援を求めましょう。

分譲マンションの総会は重要事項を決する最高意思決定機関です。

総会は、収支予算、事業計画をはじめとする管理組合の基本方針、重要事項を決する最高意思決定機関です。
区分所有法でも「管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない」(法第34条第2項)としており、年1回の総会開催は、法律上も義務づけられています。一般的には、この集会を「総会」とよんでいます。

【区分所有法】第1章[建物の区分所有]第5節[規約及び集会]第34条(集会の招集)
集会は、管理者が招集する。
2  管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。
3  区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
4  前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。
5  管理者がないときは、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。

標準管理規約では、区分所有法で定める集会を総会と呼んでいます。

【標準管理規約】第6章[管理組合]第42条(総会)
管理組合の総会は、総組合員で組織する。
2 総会は、通常総会及び臨時総会とし、区分所有法に定める集会とする。
3 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2ケ月以内に招集しなければならない。
4 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集することができる。
5 総会の議長は、理事長が務める。

マンション管理標準指針では、少なくとも毎年1回開催していることを標準的な対応としています。

【マンション管理標準指針】[総会][開催数]コメント
総会は、収支予算、事業計画をはじめとする管理組合の基本方針、重要事項を決する最高意思決定機関です。また、管理組合は、区分所有法第3条の「区分所有者の団体」にあたるものです。
そのため、年1回、通常総会を開催し、少なくとも収支決算・事業報告及び収支予算・事業計画について、その決議を経ることが必要です。
なお、区分所有法でも「管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない」(第34条第2項)、「管理者は集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない」(第43条)とされており、年1回の総会開催は、法律上も義務づけられています。
したがって、年1回の通常総会の開催が最低必要ですが、通常総会の開催時以外の時期に、総会決議を得ることが必要となった場合には、臨時総会を開催することとなりますので、それを妨げるものであってはならないことから、区分所有法と同様に「少なくとも毎年1回開催している。」を「標準的な対応」としています。

しかしながら総会を開催していないマンションもゼロではありません!

また、マンション総合調査によると、総会を年1回開催しているが『80.8%』、年2回以上開催しているが『12.4%』で、計『93.2%』のマンションが毎年総会を開催しています。この数字を見る限りでは、総会を開催をしていないマンションもゼロではありません。
管理会社に業務を委託している一般的なマンションで総会を開催していないとは通常考えられませんので、自主管理マンションや、リゾートマンションなどのごく少数のマンションで総会を開催していないケースがあるのか、もしくはマンションで総会を開催していることを知らない管理組合員もいるのでしょう。

そして「管理者は集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない」(法第43条)としています。区分所有法でいう「管理者」は、一般的には「理事長」のことです。ですから、分譲マンションでは「年1回は必ず通常総会を開催し、その中で、少なくとも「収支決算・事業報告」及び「収支予算・事業計画」について、その決議を経ることが必要です。

【区分所有法】第1章[建物の区分所有]第5節[規約及び集会]第43条(事務の報告)
管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

万が一総会を開催していない場合には、マンション管理士等に協力を求めよう

どんな理由であれ、分譲マンションでは年に1回以上の開催が義務付けられています。万が一総会を開催していないマンションがあるようでしたら、マンション管理士等の外部の専門家に協力を求めて、早急に総会を開催しましょう。

総会への出席割合(委任状等をふくむ)

直近の通常総会への区分所有者 (委任状及び議決権行使書提出者を含む)の出席割合についての調査では、「80%超90%以下」が『29.7%』と最も多く、つぎに「70%超80%以下」が『24.6%』、「90%超」が『19.3%』となっています。出席割合の平均は79.4%です。

マンション管理標準指針では「書面や代理人によるものも含め少なくとも80%程度の区分所有者が議決権を行使している。」を標準的な対応としています。

【マンション管理標準指針】[総会][出席率]コメント
総会は、管理組合の最高意思決定機関であることから、より多くの区分所有者が出席し、活発な意見交換が求められます。
一方、区分所有法は、書面で、又は代理人によって議決権行使することを認めています。
議事が管理規約の変更や共用部分の変更(形状又は効用の著しい変更を伴うもの)の場合は、区分所有者総数及び議決権総数ともに4分の3以上の賛成による特別多数決議が必要となります。したがって、重要事項に関する意思決定が必要となった場合にそれが円滑に行えるよう、特別多数決議事項がない場合でも毎回80%程度の出席率は確保したいものです。そのため、「書面や代理人によるものも含め少なくとも80%程度の区分所有者が、議決権を行使している。」ことを「標準的な対応」としました。
また、総会の議決については、質疑・意見交換なども踏まえて、各区分所有者が意思決定を行うのが本来の姿です。
総会における議論を踏まえて管理組合として意思決定を行うためには、標準管理規約第47条の総会成立要件が「議決権総数の半数以上を有する組合員の出席」であること、普通決議の決議要件の本則が区分所有者の過半数であることから、半数程度の区分所有者が実際に出席している管理組合も多いと思われます。しかし、平均実出席率については36.4%に止まっており、過半数の出席を確保することは現状を踏まえると容易ではない管理組合も多いと思われます。
さらに、実出席率については、マンションの規模や経年によって傾向が異なる(H16調査によれば、規模が大きく、築後年数が長くなるほど実出席率は低下する傾向がみられます。)ことや、総会開催施設の有無、広さといった物理的制約があることなども踏まえ、各マンションの実情にあわせて、目標値を設定していくことも必要と考えられます。
以上により、「少なくとも半数程度の区分所有者が実際に出席している。」を「望ましい対応」としました。
各マンションの実情を踏まえながら「半数程度」を目安に目標値を設定し、開催予告を行うなど、実出席率の向上に努めて下さい。

総会への実際の出席割合(委任状及び議決権行使書提出者を除く)

通常総会への区分所有者 (委任状及び議決権行使書提出者を除く) の出席割合 (実出席率) の調査については「20%超30%以下」が『23.3%』と最も多く、次いで「10%超20%以下」が『21.8%』、「30%超40%以下」が『14.5%』となっています。実出席率の平均は『34.8%』です。

マンション管理士が理事長を代行し管理組合を適正化します

理事長代行
管理組合が機能していないマンションなどでは、マンション管理士などの専門会に理事長を任せる方法もあります。現在の居住者などの区分所有者が理事長を務める方式を変更してマンション管理士などの専門家が理事長に就任して管理組合運営を適正化します。何らかの理由で理事会などの活動が行なわれていない場合や、高齢化や賃貸化などで理事のなり手がないマンションなどでは、マンション管理士による理事長代行サービスをご検討ください。

マンション管理士が顧問となり管理組合を支援します

管理組合顧問
管理組合が適正に運営されていない理由は様々あり、例えば住人が無関心であったり、住人の高齢化や賃貸化などで理事のなり手が不足するが原因の場合もあります。マンション管理士の顧問契約の利点は、理事会にマンション管理士が出席し、第三者の立場で、助言をおこなうとともに、理事の負担を大きく削減することができることです。管理組合の立場であるマンション管理士が理事会に参加し理事会運営を見守ることによって、理事の精神的負担を大きく軽減し、理事会の活性化や組合運営を適正化することが可能です。