管理会社変更(リプレイス)サービスの特徴とは

管理組合が業務を委託しているマンション管理会社に満足が出来ない場合には、管理会社の変更も選択肢になります。マンションに適した管理会社に変更することで、管理の質の向上やコスト削減につながります。しかし、数多い管理会社の中から、自分たちのマンションに合う管理会社を選択するのは簡単ではありません。 そこでおすすめなのが、マンション管理士による管理会社変更(リプレイス)サービスです。

目次

管理組合が管理会社を変更(リプレイス)した理由

マンション管理組合が管理会社を変更する最も多い理由は、管理会社の担当者(フロントマン)への不満です。フロントマンは理事会運営サポートの中核となりますのので、管理会社のフロントマンの力量次第で、実際に管理組合が受けられるサービス内容に大きな差が出てきます。言い換えるとフロントマンに満足がいかない場合には管理会社に改善を求めますが、それでも改善されない場合に管理組合は管理会社の変更をしたというケースが多いようです。

  • 管理会社(フロントマン、管理員など)の対応が遅い、悪い
  • 管理会社(フロントマン)に質問しても満足な回答が得られない
  • 管理委託費の内訳が不透明でサービスの割には高く感じる
  • 設備の不具合や劣化がそのまま放置されている
  • マンションの運営に対して、積極的な提案がない
  • 日常的な修繕や改修の見積りが関連会社からしか提出されない
  • 管理会社から解約の申し入れがあり変更を余儀なくされた

その他、以下に当てはまるようなら管理会社の変更をおすすめ

修繕工事の実施や見積もり内容が適切でない

マンションの設備などの改修や修理などの見積もりの内容が詳細であることが大切です。見積もりが一式となっている管理会社には注意が必要です。管理委託費が安価である場合には修繕工事で利益をあげる場合があります。緊急でもない工事を理事会の許可なく実施するような管理会社は変更を検討しましょう。

月次報告書の記載内容に虚偽の記載がある

月次報告書は、管理会社によってさまざまです。一般の方にとって見やすい書式や内容であることが大切です。月次報告書には、会計の収支の状況や管理費の滞納状況や居住者からの要望や苦情などの記載があることが大切です。管理会社にとって不利な内容について記載がないような管理会社変更を検討しましょう。

契約前の重要事項説明がおこなわれていない

管理組合と管理会社は契約を締結する前には、管理会社が重要事項を説明する義務があります。一般の方にでも理解できるように専門用語を用いないで、わかりやすく丁寧に説明してくれる管理会社がおすすめです。契約内容が変更になるにもかかわらず説明がおこなわれいなどはもってのほかです。こうのような場合には管理会社の変更を検討しましょう。

管理費滞納者の状況が把握不足がおこなわれていない

管理費の長期滞納者がいるにもかかわらず、理事会への報告も行われず、滞納者に対する適切な督促手続きがなされていない。結果として 1 年以上の滞納を許すような状況になってしまった。

担当のフロントマンの変更が多く引継も適切になされていない

マンションの担当(フロントマン)が管理会社側の都合によりここ数年で3~4人も変更となった。その際に新任者への引継ぎも適切になされておらず、管理組合支援業務が十分に行われなかった。

本当に管理会社の変更が必要ですか?

「管理会社を変えるぞ!」この脅し文句は管理会社に勤めていたとき、周りのフロント社員を含めてよく耳にしたものです。「管理費(正確には管理委託費)を減額しろ!」この脅し文句もよく聞きました。先のものを少しトーンダウンさせた言葉ですが、フロント社員としては耳を塞ぎたくなる嫌な言葉の一つです。今、契約を行っている管理会社との契約を解消して、別の管理会社に変更することを、「リプレイス」と言います。今回は、このリプレイス問題をテーマに取り上げ、その本質について検討を行っていきたいと思います。

なぜ管理会社を変えようとするのかを考える

管理組合にとって、マンションの管理業務を委託している管理会社という存在は、経済的なつながりのある唯一の外部機関(業者)である場合も少なくないでしょう。ですので、管理会社というのは何かと目につきやすい(アラが目立ちやすい)存在であるとも言えます。

管理会社を変えようとする理由はそれぞれですが、これまで見てきた経験上、管理員さんや管理会社の担当者(フロント)の対応に不満を募らせるケースが多かったように思います。しかし、ここでは、管理会社を変更する目的についての整理が必要です。つまり問題の本質が管理会社の存在そのものにあるのか、担当者レベルの問題なのかということです。

どこの会社であっても、やる気に満ちた優れた社員もいますし、逆に給料泥棒と呼びたくなるようなダメな社員もいるものです。仮に問題が担当者レベルの問題であるならば、ご自身のマンションに派遣されている管理員さんなり、担当フロントを交代するだけでほとんどの問題は解決します。

しかし、会社ぐるみで管理組合の信用を失墜させるような行為が行われたとか、管理組合の財産が毀損されたというような場合は、話は別です。リプレイスを真剣に検討するに値する問題なのか、ここはまずもって、問題の整理を冷静に行うことが大切でしょう。

リプレイスを声高に叫ぶ方を冷静に分析・検証しよう

リプレイスを声高に吹聴するマンション管理コンサルタントなどを冷静に分析・検証して下さい。問題をあえて大きくし、混乱させることにより、利益をあげようとする業者が紛れ込んでいるかもしれないからです。残念ながら、マンション管理業界には、管理会社を変更するデメリットを説明しないで、リプレイスを行うことのメリットだけを強調する方がいるようです。

マンション管理組合にとって、管理会社は一業者である反面、長い付き合いを伴うパートナーという側面もあります。夫婦のように、長い付き合いの中で、一時関係がこじれたことを物事の本質と理解してしまい、全てをご破算にするのか、ここは冷静に検証する必要があるでしょう。本当に改善の余地のない管理会社の場合は選択の余地もありませんが、「人の言葉に巧みに踊らされていないか」十分に検証しておく必要があります。そういう意味で、先に指摘した「なぜ管理会社を変えようとするのかを考える」ことと、「管理会社を変えた結果を検証する」ことは、全ての原点と言えるのではないでしょうか。

マンション管理会社の3タイプごとのリプレイス事情

マンション管理会社は、大規模な設備投資が必要ないので、比較的新規参入しやすい業界といわれており、全国で2,300社以上あります。マンション管理会社は、その生い立ちによって「デベロッパー系」「独立系」「ビルメンテナンス系」の3タイプがあり、それぞれに「メリット」「デメリット」があります。
マンション管理組合が管理会社変更を検討する場合に参考となるように、3タイプごとのリプレイス事情について考えてみます。

『デベロッパー系』管理会社のリプレイス事情

デベロッパー系/マンション管理会社(デベ系)
新築マンションを分譲するデベロッパーの子会社が多く、主に、デベロッパーの管理部門が独立しました。親会社であるデベロッパーから、マンションの構造や設計の情報を入手しやすく、何かトラブルがあったときの対応力には定評があり少し高くても安心感が欲しいといったマンション管理組合から新たに、管理を受託することがありますが基本的には、他の管理会社の管理物件に対し、積極的にリプレスをしかけることはありません。一方でブランド力と信頼感から親会社の利益を優先にしがちになりがちで、そのブランド力から管理委託費が高めに設定される傾向があり、こうした理由から、より安価な独立系管理会社へ変更されることが多数あります。

デベロッパー系管理会社に変更するメリット

  • マンションの設計情報が豊富でトラブルの対応が正確
  • 同じデベロッパーの似た仕様の管理実績が多く管理の質が安定
  • 大企業のグループ会社が多く、経営基盤が安定
  • 分譲時から管理を継続することで、責任の所在が明確

デベロッパー系管理会社が変更される理由

  • デベロッパーに対し、アフターフォロー等で弱腰
  • ブランド力により管理委託費が高めに設定される傾向
  • 営業をしなくても受託数が増えるため積極的な提案が不足

『独立系』管理会社のリプレイス事情

独立系/マンション管理会社
デベロッパー系とは違い、親会社を持たない独立した企業で、デベロッパー系の管理会社などに対し、リプレイス(管理会社の変更)を仕掛け、事業を拡大してきました。デベロッパー系に比較すると小規模の企業が多い傾向にあります。デベロッパー系とは異なり、積極的な営業をしないと管理業務を受託できないこともあり、複数の管理会社によるプレゼンテーションが巧みであり、新しいサービスの提案などが期待できます。ただし、デベロッパー系に比較して、管理委託費は安価な場合が多いですが、その分を大規模修繕工事や日常修繕費などで取り返そうという傾向があります。管理会社変更を考えた場合には、一番の選択候補になるでしょう。

独立系マンション管理会社に変更するメリット

  • 管理委託費がデベロッパー系に比較して安価
  • 独自のサービス開発など、積極的な提案がある
  • 他で管理を断られたマンションでも対応してくれる
  • デベロッパー系から変更すると責任の所在が曖昧になりがち

独立系マンション管理会社が変更される理由

  • デベロッパー系に比較して、建物の設計などの情報が不足
  • 管理委託費が安いことによるサービスの品質が低下の懸念
  • 管理委託費を安価な分、工事費用で収益をあげる傾向

『ビルメンテナンス系』管理会社のリプレイス事情

ビルメンテナンス系/マンション管理会社
オフィスビルや商業施設などの管理をメインとしている会社が、分譲マンションの管理をおこなっている場合に、ビルメンテナンス系管理会社と呼んでいます。一般的には、マンションの設備管理などのハード面での知識や経験は豊富ですが、一方で管理組合の運営や、理事会への支援業務などソフト面での弱さが管理会社変更につながることがあります。

ビルメンテナンス系管理会社に変更するメリット

  • マンションの設備保守などハード面での知識が豊富
  • 商業施設などを管理していることから清掃業務が得意
  • 建築や設備に関連する有資格者が多数在籍

ビルメンテナンス系管理会社が変更される理由

  • 管理業務主任者などのマンション専門の資格者が不足
  • 理事会の運営支援などのソフト面でのサポート力が不足

ここに列記したメリット・デメリットは、一般的な傾向ですので、当然ながら、すべての管理会社に当てはまるわけではありません。このようにマンション管理会社にも特徴がありますので、マンション管理会社の変更を検討される場合には、系統タイプごとの特徴を理解して、管理組合のニーズや特徴にあった管理会社を選択してください。

マンション管理会社を変更(リプレイス)の一般的な流れ

  • STEP1.現行のマンション管理会社の問題点を整理
  • STEP2.新マンション管理会社候補の選定と見積依頼
  • STEP3.見積金額と提案内容の比較検討
  • STEP4.新マンション管理会社候補のプレゼン会の開催
  • STEP5.マンション管理会社変更を議案とした総会の準備
  • STEP6.マンション管理会社変更の総会決議
  • STEP7.現行のマンション管理会社と管理委託契約を解約
  • STEP8.新マンション管理会社と管理委託契約を締結
  • STEP9.新マンション管理会社への管理業務引継ぎ

管理会社の(リプレイス)変更サービスまとめ

マンションの管理会社は、マンションの住み心地や資産価値を守る重要な使命を担っています。しかしながら、管理会社への要求や意識の高いマンション管理組合に対しては、熱心に業務をおこないますが、おとなしくて無関心な管理組合に対しては、手を抜いたり、積極的な提案がなくなります。

こうしたマンションの理事などから、マンション管理士のもとに「毎月支払っている委託費の割にはサービスが悪い」といった相談が数多く持ち込まれます。こうしたご相談に対して、マンション管理士は、まずマンションの住人が管理会社に対してどのように考えているのかアンケート等で意見を聴取して問題点の把握に努めるでしょう。

理事メンバーでは、端から管理会社は変更せざるを得ないと考えていても、理事以外の管理会社への評価は異なる場合があるからです。仮にアンケート結果の中で、管理会社に不満があれば、管理会社の担当者(フロント)に対して、改善すべき問題を指摘していきます。

それでもなお改善されない場合には、理事会として管理会社の変更に取り組むべきでしょう。この時点でマンション管理士の「管理会社変更サービス」を利用することが、管理会社変更をスムースにすすめるためのポイント

管理会社を変更した結果を検証する

管理会社を変えるというのは、意外と大変な作業です。総会における普通決議が必要になってきますし、管理委託契約の解除へと至るにはそれなりのプロセスが必要になってきますので、管理委託契約書や管理規約の内容などを正しく理解し、手順に則って手続きを進めていかなければなりません。

しかし、より重要な問題は、管理会社を変更することには、それなりの責任が発生するということを認識しておく必要があるということにあるではないでしょうか。当たり前のことですが、新しい管理会社もリプレイスの時点では良いことしか言いません。

物事は結果責任ですので、1年あるいは数年経過して、改めて検証を行い、管理サービスはどのように変化し、それに伴って発生する管理委託費はどれくらい変化したのか、管理会社の変更を主導した理事会などの判断や責任は十分であったのかなど、きちんと検証する仕組み作りをリプレイスの時点でしっかり盛り込んでおくと、より慎重に管理会社探しが行われることになり、管理組合にとって有益と言えるでしょう。

マンション管理士等の専門家にリプレイスを依頼するメリットの中には、輪番などで管理会社の変更を主導した理事メンバーが交代になって新管理会社の評価が疎かになるのを防ぐ役割があるでしょう。

管理会社選定業務

管理会社の変更にあたり、新管理会社の選定や新旧管理会社の引継ぎのサポート業務です。現行の管理会社に不満があり、変更(リプレイス)を決めた、現行の管理会社から解約の申し入れがあった場合などにご利用ください。