大震災発生時以降、多くのマンション管理組合では、住人の安否確認や救助活動などを円滑に行うために居住者名簿の必要性について認識されました。しかし実際に、理事会でマンション住人の名簿づくりの検討をはじめると、一部の住人から、個人情報の保護という観点から同意が得られないばかりか、理事会が非難にさらされることもあります。こういった場合には、マンション全住人から個人情報を提供してもらうのではなく、震災時などの災害が起きた場合に援護を必要とされる一部の居住者のみを名簿に記載するのもひとつの方法です。また、名簿の取り扱いを含め「個人情報運用細則」といったルールを規約や細則で定めることが大切です。居住者間でのトラブルを防ぐためにも、マンション管理士などの専門家などの支援を受け「居住者名簿」の作成に取り組まれてはいかがでしょうか。

管理組合員名簿及び居住者名簿の有無

平成25年度マンション総合調査によると「組合員名簿及び居住者名簿がある」が『78.8%』、「いずれもない」が『8.4%』となっています。震災発生時の安否確認や救助活動などを円滑に行うために居住者名簿の必要性については、多くの管理組合で認識されてきています。ところが、いざ名簿づくりをおこなうと個人情報の保護という観点から居住者の同意が得るれなことがあります。こういった場合には、全居住者から個人情報を提供してもらうのではなく、災害時に援護を必要とされる一部の居住者のみ名簿化するのもひとつの方法です。
 

管理組合員名簿を作成しない理由

「組合員名簿を作成しない理由」についてみると「管理会社が名簿を保有しているから」が『50.0%』 (不明を除くと54.6%)と最も多く、つぎに「個人情報でありその取扱いに苦慮するため」が『33.9%』 (不明を除くと37.0%) 「今まで作成していないから」『30.6%』 (不明を除くと33.5%) となっています。震災が起きて電話が不通になった場合には、管理会社と連絡をとることは困難ですので、管理会社に居住者名簿があっても震災時には役に立ちません。名簿は、鍵の運用をしっかりと定めた管理室や、担当の理事が保管するようにしましょう。

管理組合員名簿の閲覧の有無と理由

管理組合が作成する組合員名簿の閲覧についてみると「総会招集のためなど、閲覧理由が妥当な場合は閲覧できる」が『32.9%』、「請求があれば閲覧できる」が『21.4%』、 「配布しているので閲覧の必要がない」が『8.9%』で、合計『63.1%』の管理組合において組合員名簿を確認できる体制にあります。一方、閲覧を認めていない管理組合は『32.3%』です。管理組合によって名簿の閲覧方法は異なりますが、居住者名簿運用細則などを設け、いざ閲覧請求があった場合に混乱をきたさないようにしましょう。

管理組合員名簿の閲覧を認めない理由

管理組合員名簿の閲覧を認めない理由についてみると、「個人情報に該当するため」が『91.4%』と最も多く、つぎに「今まで認めていないため」が『11.7%』となっています。居住者名簿の作成について、居住者によっては、個人情報保護の観点から快く思わない方もいます。これを理事会主導で強引に行なうと居住者間のトラブルに発展してしまいます。こういった場合には、マンション管理士などの専門家の協力を求め、客観的な知識や意見をとりいれながら名簿の作成をすると良いでしょう。

マンション管理士が居住者名簿作成をサポートします。

使用細則・管理規約改正
マンション管理士が、管理組合が居住者名簿を作成するにあたり必要となる使用細則の作成を支援します。現行の「管理規約」や「使用細則」等に「個人情報保護」の条文を追加し、居住者名簿の運用でのトラブルを防ぎます。名簿の作成など個人情報の取り扱いはマンションの居住者間で意見の対立が起こりやすい内容ですので、マンション管理士等の専門家の支援をおすすめします。