毎月、管理組合が徴収している管理費は、業務を委託しているマンション管理会社への支払いだけではなく、共用部分の維持管理や、光熱費、保険料など様々な用途に使われています。管理費の額が適正であるかを判断するためには、こうした支出の項目をひとつひとつ試算して判断することが大切です。ただし、こうした作業は、管理の知識の乏しい一般の方では難しいことから、マンション管理士等の専門家に調査を依頼することが望ましいでしょう。

標準管理規約では管理費の負担とその負担割合について規定しています。コメントでは、負担割合には「使用頻度等は勘案しない」としています。これは、例えば1階の居住者がエレベーターを使用しないから管理費等を下げることはしないことを示しています。

【標準管理規約】第5章[管理]第25条(管理費等)
区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
一 管理費
二 修繕積立金
2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。
<コメント>
① 管理費等の負担割合を定めるに当たっては、使用頻度等は勘案しない。
② 管理費のうち、管理組合の運営に要する費用については、組合費として管理費とは分離して徴収することもできる。
③ 議決権割合の設定方法について、一戸一議決権(第46条関係②)や価値割合(第46条関係③)を採用する場合であっても、これとは別に管理費等の負担額については、第2項により、共用部分の共有持分に応じて算出することが考えられる。
④ なお、管理費等の徴収や、滞納があった場合の取扱い等については、第60条を参照のこと。

また、標準管理規約では管理費の使い道を管理規約に記載することによって、管理組合運営の一定の方向性を定めています。

【標準管理規約】第5章[管理]第27条(管理費)
管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
一 管理員人件費
二 公租公課
三 共用設備の保守維持費及び運転費
四 備品費、通信費その他の事務費
五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
六 経常的な補修費
七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
八 委託業務費
九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
十 管理組合の運営に要する費用
十一 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)

毎月、マンション管理組合に納めている管理費の額

戸あたりの管理費の額

平成25年度マンション総合調査によると、戸あたりの管理費の額は「10,000円超15,000円以下」が『23.5%』 (不明を除くと34.6%)と最も多く、つぎに 「7,500円超10,000円以下」が『17.6%』 (不明を除くと25.9%) です。月/戸当たりの額の平均は『10,661円』となっています。

月/㎡ 当たりの管理費の額

月/㎡当たりの管理費の額戸あたりのをみると「100円超150円以下」が『19.8%』 (不明を除くと33.7%) と最も多く、つぎに「50円超 100円以下」が『14.1%』(不明を除くと24.0%) となっています。月/㎡当たりの額の平均は『145円』です。

管理費の徴収額の妥当性

毎月、管理組合に収める管理費の徴収額の妥当性に関する調査では「妥当である」が『84.4%』、「徴収しすぎである」が『10.3%』となっています。マンションの資産価値を守るためにコストを掛けるのは当たり前という意識がマンションの住人に広まってきたこともあり、管理費の額については、安いに越したことはないけれど、ある程度の支出は仕方がないといったところでしょうか。

管理組合員の管理費の負担額決定方法

管理費の各区分所有者ごとの負担額の決定方法についてみると「各戸の専有面積の割合に応じて算出」が『79.6%』、「各戸均一」が『13.3%』となっています。区分所有法では、原則として各区分所有者の専有部分の床面積に応じて共用部分の管理費を負担することが定められています。共用部分の利用状況も各区分所有者ごとに異なっていますが、各区分所有者が受ける利益の程度を管理費の額に反映させることは困難です。そこで「専有部分の床面積に応じて管理費を決定」する方法は、混乱を避けるための合理的な方法でしょう。(例えば、一階の住戸だからエレベーター保守費分を管理費から減らすなどの対応は認めていません。)

マンション管理士による管理費の削減サービス

管理費削減
ご自宅のマンションの管理費が、他のマンションの管理費と比較して著しく高い場合には無駄なコストを支出している可能性があります。管理費は適正な金額を把握することが困難なことから、マンション竣工以来、一度も管理費の額を見直すことなく高い管理費を支払いつづけているケースもあります。マンション管理士による管理費削減サービスを利用して、余った資金を管理費の減額や、将来の大規模修繕工事に備えて修繕積立金などに充当してはいかがでしょうか。